ギャラリーヌーベルでは20年前より、東葛地区の芸術・文化の発展に尽くした個人、団体にヌーベル文化賞を贈っております。(選考委員長 山本鉱太郎)
今回、『バスの屋根の上で』(けやき書房)を執筆された流山市在住の児童文学作家、白木惠委子さんに決定いたしました。
白木さんは、2004年10月の台風23号による増水で、運転手乗客37人がバスの屋根の上で一夜を過ごし、全員救出された出来事を題材にされました。80歳以上の高齢の方もいたという乗客全員が、過酷な状況の中、歌を歌ったり励ましあい、知恵を出し合って助かったことに感動され、この話を子供達、世間の多くの人に知ってもらいたいという強い思いで『バスの屋根の上で』を執筆されたということです。
濁流の中、バスの屋根の上で救出を待つ人々の衝撃的な映像が目に焼きついている方も多いかと思います。
ご本人達に直接取材され、約1年かけて丁寧に書かれたこの本は、どんなときでもあきらめない、希望を捨てない、人間の命を大切にする、生きていく力を教えてくれます。
なお、白木さんは数々の児童文学書を手がけられ、創作童話『かざぐるまの会』での意欲的な活動もされており、地域の文化活動に貢献されていることから、今回の授賞者と決定させていただきました。
本日、読売新聞、朝日新聞、東京新聞(千葉県版)にこのことが掲載されております。